
バオバブ林の村に住む一家の男の子、モードゥを中心に、アフリカの大地で慎ましく、けれども豊かに暮らす村人たちの生活を映すドキュメンタリー「バオバブの記憶」。薬にして良し、病の快癒を祈って良し、家畜に樹皮を食べさせても、実をジュースにしても良しと、まさに生きたアロエ軟膏です(超余談ですが、わたしの実家では「アロエ軟膏万能説」が固く信じられていて、切り傷はもちろん火傷、湿疹、たんこぶ(!)にまで広く塗られていました。適当な親だったので・・・)
バオバブは神聖な木なので、どんな突拍子もない場所に生えていても絶対に切ってしまうことはありません。神聖であると同時に、子どもたちが幹をがしがし削って木のぼりしたり、遊び場でもあります。昔からそこにいるおじいちゃんみたいな存在、でしょうか。
目にも鮮やかなアフリカ女性の衣装や、突撃!アフリカの晩ご飯的な1シーンも。見た後はきっと庭にバオバブの木を生やしたくなるはずです。
本橋成一監督 過去作品特集!
新作「バオバブの記憶」で舞台挨拶される本橋成一監督の、過去作品の上映が決定しました!自然と人間の関係を描き続けてきた監督の、優しい眼差しに溢れた3本。

「ナージャの村」は、チェルノブイリ原発事故のわずか数キロ先の村に、退避勧告が出ているにも関わらず留まり続ける6家族。放射能に汚染されていても、ユートピアのように美しい自然。「生きてる限りは働かなきゃいけない」と畑を耕し、きのこを採り、自家製ウォッカを作る人々。豊かさってどんなこと?写真家ならではの映像が冴えます。

続く「アレクセイと泉」も、チェルノブイリ事故で被災したベラルーシの村の話。村の畑からも、小学校跡からも放射能が検出されるが、古くからある泉からは検出されない。「今湧いている水は、百年前の水だからね」と誇らしげに村人は言う。遠く離れた星の光が地球に届くまで、長い時間がかかるように。そうすると、そのまた百年後の水は・・・。続いてゆく命の連鎖について思いを馳せます。

舞台は一転沖縄。「ナミィと唄えば」のパワフルおばあナミィは三味線一筋人生。レパートリーが幅広すぎて、人間ジュークボックスの異名をとるほど。そんなナミィが三味線片手に旅に出た!旧友との再開、与那国島での鎮魂、どんなときでもナミィは唄う。夢は唄って踊ってヒャクハタチまで。さあみなさんご一緒に。
期間中は本橋監督による「バオバブ」写真展や、サイン会もございます! もりだくさんな7/11からの上映+イベント、お楽しみに。