2009年8月12日水曜日

心理学者 原口鶴子の青春〜100年前のコロンビア大留学生が伝えたかったこと〜


 100年前、NYはコロンビア大学に単独留学して、心理学の博士号をとったうら若い日本人女性をご存知ですか?今だって十分高いハードルなのに、渡航先の情報が今とは比べ物にならないほど少なかった当時、並大抵の努力では成し遂げられなかった功績では。
 けれどその努力を努力と思わない人というのが、鶴子さんに感じた印象。映画中で頻繁に紹介される、鶴子さんの著書「楽しき思ひ出」では、日々海外生活の新鮮さに感動し、生き生き毎日を楽しむ姿が浮かんできます。名士の集まる舞踏会に呼ばれて和装でダンスを踊ったこと、ファッションにも強い興味があり、日本の妹に流行の雑誌を送っていたこと。
 もちろん本業の学業にも人一倍力を注ぎました。試験前は寝る間を惜しんで勉強し、自らを実験台にして心理学上の困難な実験を行ったりも。その甲斐あってか、指導教授に業績を高く評価され、論文が専門書に引用されたこともしばしばです。  輝かしい業績に満ちた留学の日々でしたが、日本に戻った彼女を病魔が襲い・・・。
 もちろん恵まれた家庭環境、類い稀な才能と心身の健康という条件が揃っていたためではありますが、彼女を見ていると「何だってできるかも!」という気持ちにさせられるから不思議です。百年前の女性に元気をもらいに来ませんか?

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