映画「或る音楽」は、映像作家・音楽家の高木正勝さんのコンサートプロジェクト「タイ・レイ・タイ・リオ」を、高木さんへのインタビューを織り交ぜながら追ったドキュメンタリー。初日には、友久監督と高木さんが舞台挨拶にいらっしゃいました。
高木さんによると、コンサートタイトルは、「ゆっくり振れ、ちいさく振れ」という意味のポリネシア語だそう。世界中を旅しながら作品を作る高木さんは、今回のコンサートのテーマを「音の起源と神話」に求め、世界中の神話からインスピレーションを得た楽曲でコンサートを構成しました。
「今ではあたりまえになって広く習慣になっていることって、個人的な行動が始まりだったりするんです。お正月の鏡餅とか、神社のかしわ手とか。あれってどうしてパンパンって音をたてるか知ってますか? 神様を音で起して願いを聞いてもらうっていう意味があるんですけど、それだって誰か一人が最初に始めたことですよね。音楽も、誰か初めて音を奏でてみようと思った人がいて始まった。その時代に思いをはせてこのコンサートは出来上がりました」
「今日は2人連れで来られてる方も多いかと思うんですが、2人で映画見てるときって、『隣の人は楽しんでるだろうか』とかがお互い気になって、2人の間にもうひとつの人格ができちゃったりしますよね。でも今日はそういうことを忘れて、ひとりになって感じることを感じていただけたらな、と思います。自分で音楽を作られたり、創作される方もいると思うんですけど、自分が初めて音を奏でたとき、初めて文章を書いたときを思い出してほしいですね」
さらに話は高木さんの謎に包まれた私生活? へ。
「最近、家の屋根にのぼって楽器を演奏するのが好きなんですけど、そのうち周りの家からもいろんな楽器の音がするようになって。近所の子供が僕の音に反応して、真似してたんです」
「純粋なところから染まっていくわけですね」と友久監督。
「そうですね。あと、窓を開けてピアノを弾いてたら、鳥が窓のそばに寄ってきたりね。山に向かって弾いたり。遠くのものに向かって語りかける感覚です」
癒されますね。
また、神戸アートビレッジセンターは友久監督のホームでもあります。以前KAVCの大学生の自主映画創作企画「シネック」に参加していた監督は、在学中にぴあフィルムフェスティバルで入選。ますますの活躍が期待される新進気鋭の監督です。
「或る音楽」は9/25まで16:00から上映中(24日木曜は休館)。
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